prologue
コンサンレイトの町は黄金色の似合う街だ。
大きな麦畑に囲まれた穏やかな田舎町。
私は町はずれの家に住んでいる。
ちょっと私一人で暮らすのには大きい家だった。
一人でいるのが寂しいが生活としてはとても充実していた。
普段私は、近所のセネットさんの麦畑で労働を手伝わせてもらっている。
けれども冬場のこの間は畑仕事はなく、私は刺繍をすることで生計を立てていた。
自分で言うのもなんだが私の家計は良家だったので、お金の心配はない。
でも、親の金に手をつける気はなかった。
セネットさんが出してくれる賃金だけで、私一人は有意義に暮らすことができた。
でも、私はよく悲しくなる。
友達だって大勢いるし、彼氏がいたことだってある。
けれども、家に帰ってくれば私は一人ぼっち。
この和やかで大好きな村で唯一嫌いな場所が私の家だった。
私はとても、孤独だった。
家にいると、それを厭だというほどに実感してしまう。
そんな家が嫌いだった。