桜色交響曲2

 

~prologue~
 
桜の咲く季節。新学期。

出会いと別れの季節。

良く聞く言葉。云われてみると、

社会の流れから多くなるもんなぁ。

入学だとか卒業だとか、就職や退職する季節でもあり、

そんなイベントの為に住みなれた土地を離れるものだって数多くいる。

やっぱり、そんな季節なのか。それは誰にだって感じられるものだ。

だから、俺も例外ではない。

俺は、アイツに出会った。

別に、今まで出会いだとか分かれがなかったか

と云われれば、まったくそうではない。

 
なんとなく親しかった奴が転校したりもしたし、

逆にもう少しガキの頃なんかは、

名前も知らないような奴と一緒に駆けまわったりした。

そう、人並みの出会いや別れはあった。

ならば、何故こんな風に思うのか。答えは至極簡単である。

その出会いがあまりにも、異質だったからである。

人生において、そんな事は初めてだった。


 
俺は、いつでもいたって普通の生活を送ってきた。

親父はサラリーマンで、ちょっと遅いぐらいのペースで

会社内の実績をあげているし、母親だって専業主婦だ。

2つ年の離れた姉貴は、可愛くなければ、可愛げもない。

逆に、3つ年下の弟は、少しばかり甘えん坊ではあるが、

だからといって学校でのけ者にされるような変な奴じゃない。

俺だってそうだ。いじめられたことはない。

友達はいる。でも、親友と呼ばれるやつがいるかと聞かれたら…

おそらく、いないと答えるだろう。

適当に、集まってどうでもいい世間話をして、昼食をともにする。

授業でなにかをするときには、また集まってその作業をこなす。

といった具合に、本当に何の変哲もない学校生活をおくってきた。

掘り返すと保育園とか、それよりも以前の近所の公園が

自分の庭のように感じていた幼少期だとか…

掘り返してもこれといった特徴のないつまらない人生が続く。
 
恐らくそれは、

これからも続くんだろう。

そんな事を心の何処でぼんやりとおもう。

そんな生き方をしてきた。

でも、そうじゃなかった。

やっぱり、人生はうまくいかないもんなんだ。

高校に入っての一年間、

彼女ができていてちょっと幸せになっている自分を

いつも、夢見たけれども…結局叶わず、学年が繰り上がってしまった。

それは、けっして格好良くはない

顔のせいだとか分かっていながらも、

俺の心は大きくしずんでしまった。

だけれども、俺にも衝撃の出会いというものが起こるのだった。

その事も…誰にでもありうる

『人生の中のたまげたこと』

のひとつに入るんじゃないだろうか? 

それどころか、誰にでもあるような事どころじゃなくて、

本当にたまげるようなことだったんだ。

ていうか、実際会った事はありえないようなことで…。

あったという事を、証明するのが難しいような事だったんだ。

これじゃぁ、なにもなかったのに何かを隠ぺいしてるみたいだな…。

でも、俺自身もよくわからないまま、流されていたりしていた。

あまりにも衝撃的すぎる、その事との出会いは、春だった。
 
 
 

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